音楽教室経営のH先生

私がライアーと対話するのは、きまって夜10時すぎ。完全な防音室でない我が家のレッスン室では、ピアノの音が出せないのである。
ところがライアーを知ってから、その不満は一気に解消された。一日の終わりに柔らかいライアーの音を聞くとなぜかホッとして、気持ちがおだやかになるのを感じる。
まず、ライアーを手に取る、そしてひざの上にのせる。最初にくらべるとずいぶん、しっくり私の体におさまるようになった。音階をならしてみる。大幅に音が狂ってなければ調弦は毎日はしない、初めの頃と思うと音もおさまっているからである。
知ってる曲(外国のこどもの歌や民謡)を弾き始める。単音で弾きながら、合う音を考える。他の人とアンサンブルできないので一人でアンサンブルできる音をさがしていくのである。まだまだ、私の技術だと、三和音が精一杯。メロディーの下に音をつけてみる。二つの音ないし三つの音がまざり合って、何とも心地いいのである。最近は、和音の可能性をさぐる。曲の雰囲気が変わっていくのが面白く、時間がたつのも忘れてしまうのである。
ピアノの黒鍵にあたる音も使うのであるが、左指担当ということもあり、なかなか思うようにはいかない。それにこれらの音はまだ使用回数が少ないせいか、狂いも生じ、「どひゃー」なんてこともしばしば。今はアンサンブルがしたくて仕方がない。一人でももちろん充分楽しいのであるが、一人の音には限界がある。早く仲間ができて、アンサンブルしたいものである。先日、ピアノを指導している生徒をつかまえ、メロディーを弾いてもらって、私が下のパートや伴奏でアンサンブルした時の楽しさは、また格別であった。12小節くらいの小曲でもである。今は何人か面白さをわかってくれる生徒にアプローチをかけながら、アンサンブルできる日を夢見て、せっせとアンサンブル楽譜を作っている今日この頃である